こんにちは!三木楽器ピアノアトリエのMTです。
突然ですが、いつも弾いているピアノの鍵盤が「ガタガタして弾きにくい!」なんて感じたことはありませんか?
演奏の妨げになるそんな違和感…実は鍵盤に貼り付けられているパーツが原因かもしれません。
通称ブッシングクロスというフェルトです。
鍵盤の感触を支える大切なパーツ
ブッシングクロスは、鍵盤に2か所ある穴の内側に貼られているフェルトです。
鍵盤の動きをスムーズに保つための❝クッション❞のような役割を果たしています。

靴をはくときの靴下のようなものです!
使い込まれたピアノでは、このフェルトがすり減ったり、硬化したりして、気になるガタつきが出てきます。逆に長年弾かれずに置かれていたピアノでも、虫くいや湿気の影響で傷んでいるなんて事も珍しくありません。
残念ながら、よく演奏していても放っておいても劣化してしまう繊細な部分なんです。
実際の症状をご紹介
ピアノの内部はネズミだけでなく様々な害虫に食い荒らされていることがあります。
食い荒らされたブッシングクロスと鍵盤下のパンチングクロス(赤いところ)



実際の貼り替え作業
今回は、鍵盤の動きに不具合がみられたピアノのブッシングを貼り替えました。以下はその工程です。
鍵盤を取り外し


鍵盤下と鍵盤中央にある赤いフェルトがブッシングクロスです。
古いクロスの除去


単純作業ですが木部が一緒に剥がれてしまわないよう慎重に!
新しいクロスを貼る


専用のクロスを正しいサイズにカットしてひとつひとつ手作業で!
鍵盤の取り付け

不具合がないか確認しながら取り付けて…
完了

見た目もすっきり生まれ変わりました♪
弾き心地がガラリと変わる
クロスを貼り変えるだけで、驚くほど弾き心地が変わります。
指に吸い付く感触・音の立ち上がり・鍵盤の戻りすべてが生き返ったような軽やかさに‼
お客様から「全然違う!」「弾きやすくなった!」と喜びの声をいただけるとっても嬉しい瞬間です。また、ブッシングクロスが見えないところで重要な役割を果たしてくれていることを実感します。
最後に・・・
ブッシングクロスの劣化は、なかなかご自身で確認しにくい部分ですが、演奏の快適さとピアノ内部の環境を左右する重要なパーツです。
もし「最近ちょっと鍵盤の動きが気になるな…」と違和感を感じたら、ぜひ、お気軽にご相談くださいませ。鍵盤のタッチが生き生きと蘇るよう私たちが心を込めて整備させていただきます♬


