音が鳴らない鍵盤がある|ヤマハ電子ピアノ修理【P-225 発音不良】

電音技術者YKです。


今回の修理機種について紹介

P-225は、ヤマハ電子ピアノPシリーズの 中位モデル。

88鍵盤の電子ピアノとしては、コンパクトなサイズで持ち運びも可能!

そして表現力や弾き心地にも妥協なく、アコースティックピアノのような演奏感を実現している、素敵な電子ピアノです。

スペースに限りがある場合や、お出かけ先など、様々な場所でピアノを楽しむことが出来るヤマハ Pシリーズ

別売のオプションスタンドペダルユニットなどと組み合わせることで、さらに演奏性が高まります。

と、ヤマハの楽器の魅力をお伝えしだすともう本当に沢山のお話ができるのですが、何の話してたんやっけ?とならないうちに、話を修理の方へ戻します。

YK
YK

こちらのP-225にて “音が鳴らない鍵盤あり”という、症状。

不良箇所を推測し、修理費用を御見積りします。

今回のご相談では、

① 電源は入る

② 鍵盤自体は正常に動作する

③ ひとつだけ音が鳴らない鍵盤がある

という形で、事前にいくつかお話を聞かせていただくことができました。

考えられるのは、

・接点ゴム

・接点基板

このあたりの不良です。

必要な部品と作業から費用概算をお伝えしたところ、修理のご依頼をいただきました。

ありがとうございます!

分解方法、注意点、各部品の配置場所などもヤマハのサービスマニュアルに記載されていますので、事前に頭に入れておきます。


今回は、いつもお世話になっている、江坂の“studio REFLEXTION様 “ よりご依頼をいただき、修理に伺ってきました。

ご訪問後、まずはP-225の故障箇所と状態の確認をおこないます。

YAMAHA P-225B

その結果、音が鳴らない鍵盤一つ(G#2)の他には、特に問題なし。

この黒鍵だけ、音が鳴らず。

次に部品交換のため、P-225の分解を進めます。

オプションスタンドからP-225を取り外し(下側からネジ4本止まっています)、いよいよ本体の分解です。

事前に確認しておいた、分解手順。

そこには、こう記載がありました。

■分解手順

1.下ケースAss’y(所要時間10分)

『ネジ62本を外して、下ケースを外します。』

YK
YK

この本数の多さは予想できていたところで、Pシリーズのようなコンパクトでスタンド別売のモデルではよくあることです。

修理の際には、多数のネジを外す必要はありますが、強度等を保つためにもすべて必要なネジで、しっかりと作ってある証拠でもあります。

電動ドライバーの助けを借りながら、颯爽とネジを外して行きます。

電動ドライバーを忘れると、大変な目にあいます苦笑

下ケースAss’yの62本のネジたちの一部

下ケースAss’yを開け、鍵盤ユニットが見えてきました。

鍵盤ユニットを取り外す際に干渉する部品を外し、

ツイーター(左右に1個ずつあります)

鍵盤ユニットを取り付けているネジを外し、鍵盤ユニットも外します。

こちらを止めているネジは7本。

内部のネジは多くはないですが、どこにどの種類のネジが止められていたか?

配線も外す必要がありますので、ネジ止めや配線接続箇所忘れないように写真に撮っておくこともしばしば。

自分(の記憶)信じてみた結果、迷いに迷うということもしばしば…

鍵盤ユニット


故障の原因かと思われる接点ゴムや基板は、鍵盤の下に収められていますので、次は鍵盤を外してゆきます。

ド~シまでの白鍵・黒鍵がワンセットで外れます

いよいよ、接点ゴム・基板が見えてきました。

この茶色いゴムが、鍵盤に押し込まれるスピード・タイミングの違いによって、音量が変わります。

接点ゴム側の白丸内(黒い部分 2点)が、基板側の赤丸内の部分に接することで、電気が流れて発音します。

この接点ゴム側2点が、基板側に接する際のスピードの違いが音量の違いとなりますが、接点ゴム・基板側が劣化/変質すると、音量調整が効かなくなる(意図しない音量で音が出てしまう)、音が鳴りにくくなるなどの症状が出ます。

今回のように完全に音が鳴らなくなる症状は、接点間に異物が詰まってしまったり、接点ゴムの破れ、接点基板の腐食などが考えられますが、目視によるチェックでは明確な不良は認められず。

この辺りの音が鳴る仕組みは、以前にご紹介しましたエレクトーンELS-02シリーズと基本的な部分は同じです。


目視だけでは明確な不良は認められませんでしたが、症状は出ていますので該当箇所の接点ゴムと基板を新しいものへと交換します。

本体がコンパクトなので、取付先のスペースが狭かったり、部品が小さかったり。

基板を取り付け、コネクターへ配線を挿し込む

そして基板に接点ゴムを取り付ける

その他配線もしっかりと取り付けて

すべて取り付けを終えて、外装を閉じてしまう前に発音チェック。

この瞬間はやはりドキドキしますが、鳴らなかった音も鳴るようになり、その他の部分も正常に動作しました。

ということで、無事に修理完了です!

良かったです、ほっとしました。

再度ネジ62本で、下ケースAss’yを取り付けていきます。


ネジを外すときは、まだ元気なことが多いですが、修理の終盤にさしかかると、やはり疲れを感じることもしばしば。

人間ですから~、とはいえ調律も修理も体力は必要!

トレーニングに励まなければいけません。

まあ普段は、何もしていませんが…。

昨年の今頃はランニングしていたんですが、真夏のランニングがあまりにもキツく、気が付いた時にはエアコンのそばから離れらなくなっていて…。

秋になったら再開~!と思っているうちに、秋どころか冬も終わって、既に春。

春なので、そろそろ走ろうかな?

という気持ちだけはあるんです、気持ちだけは。

…と、話がまた脱線してしまいましたが、こんな時こそ『 電動ドライバ~!』

今回使用している電動ドライバーは、パワーは控えめのものですが、それでもあるのとないのとでは大違い!

この文明の利器によって、修理作業も効率よく進みます。

ありがたや。

外装も無事に取付完了し、再度動作チェックを行い、修理完了です。

今回のご訪問先について

三木楽器の防音専門チームMIKI MUSIC DESIGN+が、スタジオ設立当初から音響や機材コーディネートを担当。

音にこだわった練習環境を提供してくれる素晴らしいスタジオです。

三木楽器の防音専門チームについては、こちら。


ご購入より10年ほど経過しますと、やはり何かしらの症状が出ることもしばしば。

  • 鍵盤が戻らない/動きが悪い
  • 演奏中に音が途切れる
  • カタカタと雑音がする
  • 外装が破損してしまった などなど

以前は気にならなかった違和感が最近出てきたものの、どこに相談すればよいか分からない…という方は、三木楽器ピアノアトリエまでお気軽にお問い合わせください。

ご相談の内容に合わせて修理作業や費用について、ご案内させていただきます。

※ただし、パーツの供給が終了しているなどで、修理を承ることができかねる場合もございます。

有料とはなりますが、出張下見作業も承ります。

  • 出張下見料 ¥3,300税込~
  • 地域・作業内容により料金は変化いたします

それでは、今回のブログも長文となりましたが、次回はどんな修理をご紹介できるでしょうか。

本当は故障なんてない方が良いに決まっていますが、どんなものにも故障の可能性があるのもまた確かなことです。

そんな時に、ふと、三木楽器ピアノアトリエのことを思い出していただければ、嬉しく存じます。

それでは、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!